[内容紹介より]
モモの担当ホスト、レイヤはいつも身勝手。モモは毎月レイヤのエースとして大金を使っているのに、レイヤはこれまでに何度もモモとの約束を破っている。つい先日もアフターで家に来てくれると言っていたのにバックレられた。今日はその埋め合わせのために時間をつくってホテルの部屋を用意してくれたようだ。
もう耐えられない。今日こそははっきり不満を伝えて今後の関係についても考えなければならない。
これまでに何度同じようなケンカをしただろうか。レイヤはその度に優しい一面を見せてくる。いつもは売上のプレッシャーで追い込まれているだけで、きっとこれが本来のレイヤなんだ。そう思い込まされてしまう。
はっきり言ってレイヤは人としてクズだ。今度こそは許さない。そう決意したところで、あの目で見つめられたら、あの手で触れられたら、まるで魔法のように抗うことができなくなってしまう。
レイヤのセックスは私を虜にする。ほとんどの男は自分の性欲を解消するためだけにセックスをする。しかしレイヤは違う。私に女としての快楽を教えてくれる。女が何を求めているか、何をすれば喜ぶのか、にくいほど本能的にわかっている。ベッドの上でだけは異常なほどに優しい。
このままレイヤといたら自分がダメになってしまうかもしれない。でもレイヤを支えるのが自分の使命。たとえ自分が不幸になったとしても。推しの幸せは自分の幸せ。それほどまでにレイヤを好きになってしまっている。
レイヤは担当であって彼氏ではない。レイヤは誰のものにもならない。お金で繋がれた嘘だらけの関係。そんなことわかっているのに、優しくされるとつい「この先も無条件にずっとそばにいられたら…」そんな淡い期待が頭をよぎってしまう。